野洲川が琵琶湖に流れ出る河口のほとりに建っているクラブハウス。そこが石塚造船だ。
石塚造船は、バスボートを預かり、ボートの持ち主であるお客さんのサポートをしているお店だ。お店の前には看板犬のさつきちゃんがお出迎え。主に、来店するお客さんは若く、30代、40代のバスフィッシングをされている人たちだ。
石塚さんは琵琶湖で釣りをするお客さんへ当日の天候や特有の気候などの情報を伝えたり、何かあった時のレスキューなど幅広い支援をしている。年に数回、石塚さん主催の大会も行っている。
そんな石塚造船の始まりは、大正2年にまでさかのぼる。経営者の石塚正治さんのおじいさんは、田んぼに行くための田船を作る船大工を始めた。その後、田船が必要なくなると、漁師船や木の手漕ぎボート、そして瀬田川の屋形船を作っていたという。しかし、時代の流れで船はどんどんと需要がなくなっていった。そんな中、琵琶湖で活発になり始めていた、バスボートの保管をして、人々に琵琶湖を楽しんでもらおうと事業の転換に踏み切ったそうだ。
「理想はね、釣り出来なくてもお客さんどうしでしゃべって、っていうのができたらいいなと思てますね。」と石塚さんは言う。釣りをするお客さんだけでなく、その友人やクラブハウスに集まる人々の憩いの場となることを目指している。ほかのお店よりも充実しているクラブハウスにしようという意気がインタビューでジンジンと伝わってきた。お客さんに楽しんでもらおうという気持ちはこれからもクラブハウスの発展につながっていくのだろう。