作品を残していける喜びは何にもかえられない。
神社仏閣や重要文化財の瓦屋根施工に携わる。日本瓦にこだわり、近畿地方を中心に南は徳島県、北は千葉県と幅広い地域で「歴史と伝統と文化」を大切にしながら瓦の良さを次の世代に伝えている。
京都御所や蒲生郡日野町の信楽院などの文化財も手がけてきた。
一見どれも一緒に見える瓦屋根。だが実は屋根上部の線の出し方が奈良と京都で違うという。歴史的な建物ではどの時代に建てられたかでも違うそうだ。今はたくさんある様式の中で好きなように時代物をつくれる時代。本場で培った技術を活かしながら、曲線の組み合わせを追求している。
「神社仏閣を訪れたとき建物ばかりを見るのではなく、少し上を見上げて建物の上の線と瓦の美しさも見てほしい」と成幸さんは話す。