非効率な商習慣と商流を転換して物流の未来を変える
インターネット通販の隆盛で物流量が増える中、これからの運送や配達の仕組みをまったく変えてしまうかもしれないサービスが今年9月にスタートした。物流業界が抱える問題を解決する配送マッチングサービス「トラクルGO®」だ。中林賢一さんが代表を努める会社が開発・運用している。仕組みとしては、利用者である荷主と運送会社がPCやスマホアプリを使い、荷主は発送したい荷物情報を発信、運送会社はその荷物に対して自身の空き状況をもとに運送費を入札するというもの。荷主は応札の金額や条件・実績をもとに運送会社を決定する。落札できた運送会社は、事前にわかっている拠点で引取・配達すればよい。この新サービスによって、BtoBの物流で「送りたいのにどこも人手不足でいいドライバーが見つからない」「人手不足な上に非効率な空車回送を解消したい」というような需要と供給を直接マッチできる、シェアリング=エコノミーが実現された格好だ。このマッチング機能はAIで最適化、信頼性はお互いに評価しあう仕組みで担保する。事務書類の自動作成や、請求支払いも運営会社を通して簡単に処理できてしまい、荷主・運送会社の経営効率化にも貢献してしまうのだ。
物流業界は労働環境の構造的な問題が報道などで指摘されているが、それをも転換してしまう可能性を秘める、野洲発の流通革命に期待大だ。